転職成功者:自分で考えた製品を市場へ~故郷高知に貢献したい~

2017年3月27日 byアビリティー・センター

四国転職netのUIターン転職アドバイザーから、高知県土佐市にある廣瀬製紙株式会社にUIターン転職をしたNさん(仮名)にUIターン転職の動機から転職までをインタビューしました。

BEFORE 電子部品メーカー 材料・商品開発 マーケティング
AFTER  廣瀬製紙株式会社(中間素材メーカー) 技術開発

U・Iターン転職を考えた動機を教えていただけますか?

元々、地元である高知に帰りたいという思いは大学進学で高知を離れた時から持っていました。前職で担当していたテーマが完了したことと、年齢が30歳を超えたところで、転職をするならこのタイミングかなと思いました。今後の仕事やライフプランについて考える時間がとれたことも大きかったですね。

Nさんは高知のご出身ですね?

はい、廣瀬製紙がある土佐市の隣の高知市の出身です。

 

先ほど、「仕事の区切り」のお話がありました。詳しく教えていただけますか?

当時、私は2年間商品開発を担当していました。そこで4~5年にわたる大きなプロジェクトの主担当として関わっていましたが、その商品が製品化されるという区切りがついたというものです。もちろん、そこから発展させるということはありましたが、最初の目標をクリアできたというのは大きなポイントです。

それまでは目の前にある業務が「自分がやりたい」「頑張りたい」と思える仕事でしたし、忙しくもあったので、Uターン転職について考えたり実行したりする時間はありませんでした。区切りがついたことで、考える時間ができました。

 

高知に帰ることを決めた理由は何でしょうか?

地元高知で暮らしたいという気持ちが大きかったというのが最大の理由です。前職では10年間で3回と異動が多くありました。10年後、20年後の暮らしを考えた時に、ひとつの場所で地に足をつけて生きていきたい、それなら地元が良いとの結論に達しました。

 

転職活動はどのように進められましたか?

転職活動を始めるにあたって、ホームページを探していたところ、高知の企業を多く紹介していたアビリティーセンターのサイトを見て、まず相談会に参加することにしました。相談会で担当の和田さんとお話をしたところ、「もう少し考えてみたら」とのアドバイスをいただきました。そこで、私自身も真剣に自分の人生について考えてみようと思いました。そして、「相談してから1年間考えて、それでも地元に帰って働きたいという思いが自分の中にあるようだったら本格的に転職活動をしよう」と決めました。

1年後、やっぱり地元に帰りたいという意思が強く残っていたため、再度アビリティーセンターの担当の方に連絡をして本格的な転職活動をスタートしました。

何社かご紹介いただいた中に、廣瀬製紙があり、動き始めてから3~4ヶ月後に面接を受け、早い段階で内定をいただくことができました。

 

不安などはありませんでしたか?

そうですね。高知で転職活動をするにあたって、企業数が少ないことはわかっていました。メーカーで開発業務を担当していた経歴を活かして転職をしたいという希望に合う企業があるのかないのか、あったとしても非常に少ないのではないかという不安がありました。

正直に言うと、何がなんでも帰って来なければならない、というわけでもなかったので、「こういう所で働きたい!」と思えるような会社がなければ、転職そのものを取りやめるという選択肢もありました。廣瀬製紙という会社と出会えて、「ここで頑張ろう!」と思えたというところがポイントです。

 

廣瀬製紙様に入社を決めた理由は何ですか?

当初、廣瀬製紙という会社を知らなかったのですが、担当者の方から今高知の中で非常に元気のある会社であること、歴史は古いけれども転換期を迎えており、積極的に新しい事業にチャレンジしている会社であるということを教えていただきました。世の中に無い、新しい商品を出しているというようなこともわかり、会社に魅力を感じたことがひとつめの理由です。あとは、自分のやりたかった研究開発ができるということで応募を決めました。

会社自体の魅力と自分のやりたいことがマッチした、ということですね。

 

最初に廣瀬製紙様を紹介されたときには研究開発の求人はありましたか?

無いに等しかったと思います。担当の方から提案していただいたと思います。

 

前職はどんなお仕事をされていたか教えてください。

関西の電子部品メーカーでセラミックコンデンサーという電子部品の材料・商品開発を約7年、技術営業や商品企画といったマーケティング業務を約2年担当していました。

 

製紙会社であれば、材料に関する科学知識が活かせるとお考えになりましたか?

大学で学んだことも含めて、それまでの企業で培ってきた技術がそのまま活かせるとは思ってはいませんでした。基本的な開発の考え方やどういう商品を作りたいかとの目的に対して、アプローチを検討し、考えるという、結果を出すまでのプロセスは同じですが、純粋な知識はそのまま使えるとは思いませんでした。やはり業種も違いますし、想像もできなかったので、実際に入社してから自分で勉強するものだと思っていました。

 

廣瀬製紙様という企業に魅力を感じていらしたという面が大きかったのでしょうか?

新しいことをやっていこうという方針・方向性に共感しましたし、実際人も採用していたので、自分も新しいことができるのではないかという期待がありました。

モノづくりの中でも、特に世の中に無いものを作り出すこと、それが商品化され市場に出て行くことに喜びを感じます。

 

採用面接の時に感じたことを教えてください。

ホームページではイメージし辛い部分もあったので、直接お話することで、自分の思いが具体的になりました。実際にどういう領域・市場に向けて商品を作っているか、廣瀬製紙がどういう考え方を持っているのか、という想いが理解できました。

 

高知に戻ってからの暮らしはいかがですか?

やはり、生活はしやすくなったと思います。食事や環境面の変化は大きいですね。元々知っている土地ということもあり、落ち着いて安心した生活ができています。今は一人暮らしをしていますが、近くに両親がいるのでお互いに安心感があります。

良くも悪くも高知は狭いので、例えば廣瀬製紙に小学校時代の同級生がいるなど、働く面・生活面共にどこかでつながっていると感じています。ネットワークは大事なので、人と人とのつながりは大事にしていきたいと思っています。

何かあったときに頼れる人が身近にいることはとても心強いです。

 

これから取り組んでみたいことを教えてください。

仕事では、開発の仕事をやっていますが、自分で作った商品を市場に出したいという思いが一番強いです。今はまだ基礎的なことをやっており、世の中へ貢献しているという感覚はありませんが、自分が作った商品が世の中に出て、お客様に喜んでいただき、会社ひいては高知県が元気になっていけたら、と考えています。

 

お仕事について、地方ならではのデメリットはありますか?

ありますね。高知自体に人・物・金が不足している部分があると思うのですが、何か講演会やセミナーがあるにしても関東・関西圏までの移動に時間がかかったり、お客様は都市部にいらっしゃったりするので、実際訪れる場合にかかる時間や費用、情報の遅さなどは不便であると感じます。

そこで、まずは自分から動かないといけないと感じでいます。待つのではなく、自分から情報を入手しなければという思いを持っています。

 

在職中に転職活動をされたわけですが、大変だったことやアビリティーセンターを利用して良かったなと思うことはありますか?

私自身が地元出身でありながら、高知にどのような企業があるかほとんど知らなかったので、自分に代わって情報を集めていただいたことが良かった点のひとつです。

あとは、実際のやり取りに関しても、コンサルタントの方が代わりに動いてくださったので、調整にかける時間をとらずに済んだことですね。

大変だったのは、面接時には有給休暇を取って高知まで帰ってこなくてはならず、前職の会社に申し出ていなかったこともあって精神的にも労力的にも疲労感があったことです。回数が多くなかったので良かったのですが、もし長引いていたら大変だっただろうなと思います。

入社が決まってからも、退職を申し出るまでにタイムラグがあったので「辞めるのにな…」と思いながら仕事をすることは、周りの人達に心苦しい気持ちや申し訳なさがありました。

転職自体はスピーディに決まったので、ラッキーでした。

 

これから転職活動をされる方にアドバイスをお願いいたします。

Uターン転職にあたって重要なのは、人生の中で「何を大切にするか」ということではないかと思います。給与面を重視するのであれば帰ってくるという選択肢は無いでしょうし、生きていくうえで何を大事にしたいかということをよく考えて、それが高知に帰ってくることで実現できるようであれば、行動に移してみるべきなのではないかな、と僕は思います。あれもこれも、というと難しいですね。

 

非常に参考になるお話を伺うことができました。ありがとうございました。

 

 

>廣瀬製紙株式会社の求人情報ページを見る

 

>採用担当者のインタビュー記事を見る

category / UIターン転職者事例研究

TOPへ戻る