2015年改正派遣法-派遣先の措置「新たな期間制限」:意見聴取

原田 健2015年11月27日 by原田 健

 

前回に引き続き、改正派遣法で設けられた新たな期間制限について説明します。
 
改正前には、派遣受入期間を延長する手続きとして意見聴取が必要でした。
 
改正後はどのような手続きを踏む必要があるでしょうか。
 
派遣先が事業所単位の期間制限による派遣可能期間を延長しようとする場合について、今回は特に「意見聴取」に絞ってお伝えしようと思います。

 
派遣先は、事業所単位の期間制限による3年の派遣可能期間を延長しようとする場合に、その事業所の過半数労働組合等から意見聴取をする必要があります。

 

「意見聴取」とは何でしょうか。

 

Q3. 派遣受入れ制限期間を延長する場合の「意見聴取」とは?

 
A3. 事業所単位の期間制限となる抵触日を超えて有期雇用派遣労働者を受入れ続ける場合、受入れ開始日から起算して、3年を超えることとなる最初の日(抵触日)の1ヶ月前の日までに、過半数労働組合等から意見を聴かなければならないということです。

 

ただ、改正前にも意見聴取は必要でした。違いを確認しておきましょう。

 

Q4.旧法の「意見聴取」と改正法の「意見聴取」の違いは?

 

A4.旧法では、派遣受入期間の原則1年を3年に延長する手続きとして意見聴取が必要でした。

 

ただ、その意見聴取には説明義務も周知義務もなく、意見聴取を行なわなかった派遣先に対しての制裁もありませんでした。

 
今回の改正法では、事業所での有期雇用派遣労働者の受入れ開始日から起算して、3年を超えることとなる最初の日(抵触日)の1ヶ月前の日までに意見聴取を行なわないまま、抵触日以降に派遣労働者を引き続き受入れた場合は、意見聴取義務違反(期間制限違反)となり、勧告・公表・労働契約申込みみなし制度の対象となります。

 

続いて、事業所に過半数労働組合が無い場合について確認しましょう。

 

Q5.事業所に過半数労働組合がない場合に、過半数代表を選出する際の留意点は?

 

A5.省令が改正され、過半数代表は、
 
①労働基準法第41条第2号に規定される管理監督者以外の者であること

②意見聴取をする者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の民主的な方法による手続きにより選出された者であること
 
の2つの要件を満たす必要があることが明確化されました。
 
この2つの要件いずれかの要件を満たさない者を代表者として扱い、派遣先が意見聴取を行なっても、法的には意見聴取手続きを経ていないと判断されます。

 
つまり、意見聴取の手続きを経ずに、3年を超えて有期雇用派遣労働者を継続して受入れたことになるため、労働契約申込みみなし制度の適用となります。

 

よって派遣先は、事業所に派遣されているすべての派遣労働者に対し、労働契約の申込みをしたとみなされるので、充分な注意が必要です。

 

次回はクーリング期間についてご紹介いたします。

category / 労働法の改正と今後の動きについて

この記事を書いた人

原田 健

原田 健

アビリティーセンター株式会社所属の法務担当。1971年兵庫県生まれ。関西学院大学を卒業後、旅行会社で提案営業と添乗員に従事し、その後、30歳から人材ビジネス業界に携わる。大阪にて大手人材ビジネス会社に勤務。アビリティーセンター入社後は、徳島オフィスリーダーとしてマネジメントを行い、現在は、企業からの法律相談窓口や労働法勉強会、個人情報保護研修などを実施し、自らの経験を活かし現場を知っている法務担当としてコンサルティングを行なっている。

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