住民税の「特別徴収」と「普通徴収」

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給与明細の控除の欄に書かれている「住民税」
「控除」なので給与から天引きされていますが、住民税とはどんなものなのか、何に使われているのかご存知でしょうか?

住民税のキホン

【1】道府県民税と市町村民税を合わせて「住民税」と呼ばれています。
都道府県や市町村などの地方自治体に治める「地方税」です。教育、ごみ処理、消防・救急など私たちの生活に身近な行政サービスの多くをまかなっています。

 

【2】前年の収入に対して計算されるものなので、今月の給与額とは関係ない税額です。
前年の収入で計算された税額を翌年6月~5月まで12回、毎月の給与から天引きします。

【3】扶養している配偶者や子などがいる場合は、税額が安くなる控除がありますが、所得税の控除額よりは少ないです。

 

【4】地方税なので、会社がそれぞれの市町村ごとに納付します。

 

【5】1月1日現在の住所地に支払います。
1月2日以降に他の市町村に転居した場合でも、転居先の市町村に切り替わることなく、前の住所地に納付します。

住民税をもっと詳しく

住民税は昨年の1月から12月までに支払われた所得に対して税額が計算されますが、
ここでいう「1月」とは1月に働いた分ではなく、1月に受け取った給与と言う意味です。

 

例えば、給与計算の締めが月末で給与支給日が翌月10日という場合は、昨年の12/1~今年の11/30までに働いた分が今年の収入ということです。
 
ちなみに新入社員の場合は、前年が学生ということで収入がないので、入社1年目の給与から住民税が徴収されることはありません。
「2年目は手取りが減る」と言われるのはこのためです。

6月から住民税の支払いが開始するのはなぜ?

会社員の場合、12月に「年末調整」をした後、「源泉徴収票」が発行されます。それと同じ内容のもので「給与支払報告書」というものを、勤務先が1月末までに各市区町村に提出します。
市町村はこのデータをもとに税額を決定し、5月中旬に会社または個人に通知しますので、支払い開始は6月からとなっています。

会社員以外の人はどうやって住民税を支払うの?

会社員であれば、会社が社員の給与から住民税を天引きして納付してくれています。これを「特別徴収」といいます。
それに対し、自分で金融機関へ行き、市町村へ直接振り込む方法を「普通徴収」といいます。
 
どちらの方法でも年間税額は同じですが、支払い(分割)回数が違います。
特別徴収は12回払い、普通徴収は4回払いです。



特別徴収でも普通徴収でも納税者にはあまり違いは感じられませんが、会社は入社した人、退職した人ごとに手続きが発生するので事務処理が大変です。

就職して普通徴収から特別徴収に切り替える場合は、税額通知書や納付書の提出が必要になる場合がありますので、きちんと保管しておくことをおすすめします。

 
また、普通徴収の方は、くれぐれも年4回の納付月を忘れずに支払いましょう。

アビリティーセンターで「社会保険」や「法務」に携わる経験を活かし、働く人には知っていてほしい話をわかりやすくお伝えしていきます。