結婚して愛媛に。慣れない土地でも仕事に出会う。(2/2)
2018年6月26日 byアビリティー・センター
ミヤウチ
今日は、ハートネットワーク・フレスポ西条店にお勤めの大岡裕美さんをお訪ねしました。
アビリティセンターの担当者、大西さんも同席していただきます。明るく広々したお店ですね。
かわいらしいソファスペースがありますので、そちらでお話を伺います。大岡さんよろしくお願いします。
大岡さん
こちらこそよろしくお願いします。
結婚で愛媛に!愛媛と高知のギャップに驚く
ミヤウチ
大岡さんはどちらのご出身なのですか。
大岡さん
高知です。
ミヤウチ
あ、それじゃ、お酒が強いんだ。
大岡さん
そんなことないですよ(笑)。みんなにそう言われます。高知といえばそんなイメージなんでしょうね。
ミヤウチ
高知の人が「そんなことないです」と言ったら、愛媛の人の「まあまあいける口」くらいですね(笑)。
大岡さん
たぶん(笑)。昔の人は何かにつけみんなで飲んでいたようですが、今はそんなに飲まなくなっていますね。
ミヤウチ
こちらには、結婚してこられたのですか。
大岡さん
そうです。主人が新居浜の出身なんです、高知で出会って結婚したのですが、家業を継ぐので帰ってきたんです。
結婚する前の話では家業を継ぐのはずっと後の話だったんですが、それが急に早まって、結婚してすぐに継ぐことになりました。新居浜に住み始めて2年ほどになります。
ミヤウチ
そうだったんですね。ご主人についてきた裕美さんとしては、生まれ育った高知から、友達もいない愛媛に来なければならなかったのはちょっと大変だったかも知れないですね。高知と愛媛は県民性も全く違っていますからね。
大岡さん
はい、大変でしたね。こちらには全く知り合いもいなかったし、土地勘もないので、どこに何があるのかも全くわからないし、一人で暮らしている母のことも気になりましたし、高知へ帰りたかったですね(笑)。
ミヤウチ
そうですよね、新しい環境に慣れるまでは本当に大変です。お仕事はこちらに来てすぐ始められたのですか。
大岡さん
愛媛の風潮的には、結婚したら女の人は外で働かないのが普通だという感じですよね。そこはちょっとびっくりしました。高知では、女の人も外に出て働くのが当たり前だという感じなんです。それで、こちらに来て仕事を探したのですが嫌なことが重なったんです。
ミヤウチ
えっ、どんな事があったんですか。
大岡さん
役所関係の面接のときに、私にとっては大変失礼だと思われるような事を言われたんです。
それから、別の面接でも、私の口からぽろっと土佐弁が出たときに「あんた、高知の人?、この前ここに高知出身の上司が来たんやけど、その高知の人が嫌な人でね・・・」って長々言われたんですよ。
そんなことが重なって、愛媛のイメージが本当に下がってしまったんです。女の人が働かない風潮があるので、こんなことを面接で平気で言うんだなと思いましたね。1年くらいはずっとそのイメージを引きずっていました。まだ引きずっているかも・・・
ミヤウチ
それは辛かったですね。出会った人が悪かった・・・
大岡さん
役所関係の面接で、こんなこと聞くの?と疑うような質問があったことがびっくりでしたね。
私は高知で、県の職員として勤めたこともありましたし、国の機関で臨時職員をしたこともありますので、何度かそんな面接の経験もあるのですが、高知ではそんな思いをしたことはなかったので、愛媛の印象は悪かったですね。
ミヤウチ
それは、お役所体質が抜けきらない場面に遭遇してしまいましたね。愛媛県でも、そのあたりの改善は随分進んでいると聞きますが、まだまだ残っているようですね。
大岡さん
愛媛全体がそんな感じなのかなと思ってしまいました(笑)。
ミヤウチ
愛媛県人としましては、本当に残念なことです。愛媛は住みやすいし、いいとこですよ。これからたくさんいい人と出会って、楽しい愛媛暮らしをしてほしいですね。ご主人は大岡さんの気持ちを分かってくださっていますか。
大岡さん
そうですね。家業を継ぐのを早めたことで、私が戸惑っているのは分ってくれていますから、実家の母の調子が悪いときはすぐに帰らせてくれますし、私のしたいことはさせてくれていますね。
それに、私はずっとよさこいを踊ってきたんですが、それはずっと今まで通り続けています。新居浜に来るときに、よさこいをこれまで通り踊ることを条件に出していたんです(笑)。
ミヤウチ
よさこいを踊っておられるんですか。それは素敵ですね。そうか、そのためにはたびたび高知にも帰らないといけませんね。
ま、人生、全て思い通りにはいかないですからね。そこは「持って行きよう」ですね(笑)。さて、お仕事の話にもどりますね。結婚してもお仕事は続けたいと思っておられたのですか。
大岡さん
はい、高知では結婚後も女の人が外で働くのが当たり前でしたから、結婚してずっと家に居ることは想像できなかったですね。しばらく仕事をせずに家に居たこともあったのですが、家事をするだけなのはぜんぜん楽しくなかったですね。
やりたいこともあるし、そのためのお小遣いもほしいですし、仕事はしようと思っていました。
でも、私は、夫の実家の仕事も時々手伝わないといけませんし、高知に帰ることもありますから、きちんと曜日が決まったお勤めは難しいと思ったんです。短期か単発でできる仕事がいいかなと思いました。
アビリティーセンターとの偶然の出会いがきっかけで仕事開始
ミヤウチ
アビリティーとの出会いはどういうことだったのですか。
大岡さん
イオンで買い物しているときに、みきゃんの中に入れるお仕事という言葉に引かれて、説明会に入ったんです。そのとき、登録だけしました。
ミヤウチ
え、みきゃんの着ぐるみに入りたかったんですか(笑)。今のお仕事はアビリティーの紹介ですが、すぐにこのお仕事があったんですか。
大岡さん
アビリティーからは仕事の誘いの電話がよくかかっていたのですが、特に決めることもなく過ぎていたんです。
今の仕事は、去年の4月ごろに話があって、6月から勤め始めました。シフト制なので、時間的な融通がききますよということだったのでやってみようかなと思いました。
ミヤウチ
まだ裕美さんの愛媛のイメージが良くない頃ですよね。仕事をしようという意欲は湧いてきていたのですか。
大岡さん
いや、そんなには・・・・ま、勧められたので仕方ないかなくらいですね(笑)。
ミヤウチ
クールな姿勢ですね(笑)。
大西
いやいや、バイタリティのある人なんですよ(笑)。
大岡さん
そんなことないです(笑)。シフト制なので、時間の都合がつきやすいというのが大きかったですね。でも職種は希望とは違っていたんですけれどね。
受付業務と聞いていたのですが、営業的な内容もあって、今は、何でも色々やっている感じなんです。それはちょっと嫌なんですが(笑)でも、職場の人たちがいい人なのでそれで助けられていますね。
ミヤウチ
職場の人間関係がいいのは何よりうれしいことですね。お仕事をしていて大変なことはありますか。
大岡さん
そうですね。ちょっと時間が遅くまでになるのがネックかなと思います。勤務が7時までですので、それから帰ると(担当の大西さんを見ながら)家のことができません。
先月は1回しか夕飯を作っていないんです(笑)。主人が仕方なく作ってくれています。
ミヤウチ
それはいいご主人ですね。なかなかいませんよ。やっぱり、高知の女性は強いのかなあ(笑)。
大岡さん
そうですかね(笑)。子どもがいませんので、私が仕事で遅くなっても何とか主人の協力でやれていますね。
大西
最初は扶養枠内の就業でした。このお仕事は覚えることもたくさんあって大変だったと思いますが、それでもちゃんとこなしていかれて、就業時間も増やしていかれたんですよ。何がきっかけでしたかね。
大岡さん
人が足りないということだったので、それなら少し増やしてもいいですよって言ったら、だんだん増えてしまったんです。私がもっと入りたいって言ったわけではないんです(笑)。
大西
多分働くことは好きなんだと思いますね。
大岡さん
そうですね、働くことは嫌じゃないですね。
大西
お仕事の様子をみても一生懸命で、仕事に対して出てくる質問や会話の質も高いんですね。仕事をよくするための提案も出てきますし・・・
大岡さん
そんなことないですよ。
ミヤウチ
私は、何人もの派遣スタッフの方やアビリティの社員さんのお話を聞いています。アビリティの社員さんは、たくさんの人をお世話してこられてるでしょ。
さすがに人の個性をよくとらえてお世話しておられるなあと感じています。だから、大岡さんは、きっと自分で思っておられる以上に仕事をする力をもっておられるのでしょうね。
大岡さん
そうなんでしょうかね。
大西
そうなんです(笑)。今、ちょっと大変な仕事をしてもらっているんです。時間も増やしてもらったのですが、それもへっちゃらでこなしてくださっています。
大岡さん
へっちゃらではないんですが(笑)、みんなが気を使って助けてくれるのでやれているんです。主人が自営なので扶養枠を越えても影響はあまりないので増やしています。
ミヤウチ
すっかり欠かせない戦力になっているんですね。ここでは、大岡さんは、ハートネットワークの仕組みや料金体系なども説明しておられるんですよね。
私は、そんな仕組みなどの話が全く分らないタイプなので(笑)、仕事で説明する人は本当に偉いなあっていつも思うんです。
大岡さん
大変ですね。最初はわけが分らなかったですね。今は説明するのは慣れてきましたね。どうしたらお客さんに分かりやすくなるか考えて話しているつもりです。
話すのはいいのですが、申し込みの書類を書くのは今でもちょっと・・・。お客さんの前で計算して金額なども書き込まないといけませんから。苦手ですね。
ミヤウチ
なるほど、入力すればぱっとパソコンが計算してくれて書類が出力されるといいなということですね。贅沢言わずに計算してください(笑)。接客はお好きなんですか。
大岡さん
どちらかと言うと苦手なんです。でも、これまでの仕事でもお客さん対応をすることが多いんです。本当は、裏方で地味に事務作業をしたいんです。
ミヤウチ
そうなんですか。そうは見えないですね。安心感のある接客ができるタイプに見えますね。それができる人なんですよ、きっと。だって、よさこいを踊る人だもの、あ、関係ないですかね(笑)。
大岡さん
それとこれとは別です(笑)。
ミヤウチ
聞くところによりますと、フルマラソンにも出場されたとか。
大岡さん
おととい、高知竜馬マラソンに出てきたんです。2ヶ月くらいは練習しましたが、無事走れたのでよかったです。
大西
今日普通に歩けているのが凄いですね。やっぱり体力があるんですよね。
大岡さん
後が平気だったので自分でもびっくりしています(笑)。
今後のキャリアプランとは?
ミヤウチ
裕美さんは、自分で思っている以上にエネルギーもあるし、体力もあるし、コミュニケーション能力もあるし、色々な可能性を持っている人なんですよ、きっと。
今は「嫌なんです」とか「苦手なんです」とか「仕方なく・・・」「地味に・・・」とか言っておられますが、これからが楽しみですね(笑)。
大岡さん
そうですかね(笑)。
ミヤウチ
アビリティーに、そういう色々な可能性を引き出してもらいましょうよ。今後はどういう風に人生設計をしておられますか。
大岡さん
考えてないですねえ。
ミヤウチ
仕事はしていきたいですか。
大岡さん
はい、していきたいですね。
ミヤウチ
どんな仕事をしていきたいですか。
大岡さん
それも特に考えてないですね。
ミヤウチ
たぶん、アビリティーが大岡さんに合う仕事をどんどん紹介してくるでしょうね(笑)
大岡さん
そう思っています。もう少し早く帰れるのがいいですね(笑)
大西
しっかりそのあたりの情報を聞いて紹介します(笑)。私達もいろいろ紹介したいのですが、やりたいこととか、なりたい姿というのがやっぱり大切ですね。
これからライフスタイルも変わってくるでしょうし、その時に、ライフ設計をどうしたらよいか考えることは大切だと思います。その中の一つにキャリアプランがあります。これからまたお話していきましょう(笑)。
ミヤウチ
公の機関で仕事を探そうとしてもライフ設計を元にしたキャリアプランを一緒に考えてくれる所はないですよね。
大岡さん
そうですね。
ミヤウチ
そういう意味では、大岡さんは、いい出会いをされているのではないかと、私は思いますね。
大岡さん
確かに。そうですね。
ミヤウチ
特に、大岡さんのように県外から来られて、県内には友人知人や学校の先輩など、情報源や相談相手がない場合は、大西さんのような存在は頼りになるのではないでしょうか。
もっと積極的に活用する価値ありですね(笑)。みきゃんの着ぐるみが繋いでくれたご縁ですね(笑)。
大岡さん
そうですね、考えてみます。これからもお願いします(笑)。
大西
こちらこそ、お願いします(笑)。
ミヤウチ
大岡さんの5年後を見てみたいですね(笑)。愛媛の良さを味わいながら、能力を発揮して楽しくお仕事しておられるのではないでしょうか。今日は本音で、でも楽しくお話しくださってありがとうございました。
category / 四国の働き方図鑑