求職者と仕事をマッチングする(2/2)

2018年3月23日 byアビリティー・センター

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営業マンとして取引会社との信頼を築く

ミヤウチ 派遣スタッフさんにもいろいろなタイプの方がおられるのですね。さて、いろいろな方のお世話をしてこられた片上さんですが、片上さんご自身はどんな働き方をしてこられたのですか。ちょっとプライベートなお話も(笑)。

 

 

 

片上 もうずっと忙しかったですね。人材派遣の仕事は、困ったときに声がかかる仕事なんですね。

 

人材不足で困ったときや、新事業で人材を強化したいというときに、一番に頭に浮かぶ営業マンでありたいと思っていますから、日々、お客さん(企業)を訪問してお話させていただいています。

 

社内のノウハウと、大学の先生方や東京の研修会社さんら社外の力とコラボレーションしながら、四国の企業のお客様に必要な情報をすぐ提供できるようにと努力しています。

 

 

 

ミヤウチ 大学卒業後入社してずっと走り抜けてこられたのですね。

 

 

 

片上 20代の頃は登録スタッフや企業の人事担当者よりも若いですし、その分人生経験も未熟でしたね。それでも頼られる営業マンを目指してきましたから大変でした。よく泣いていましたね(笑)。

 

お客さんや先輩方にずいぶんと助けていただきました。人が起きている時間の多くを占める仕事をサポートさせていただいていますし、そこで得る収入が生活を支えるわけですから、責任あるお仕事だと思います。今でも、大変です(笑)

 

 

 

ミヤウチ 今は、新居浜オフィスのリーダーということもあり、ますます責任が重いのではないでしょうか。

 

 

 

片上 そうですね。正直なところ、企業さんや相談に来られる方との対応より、リーダーとしての組織内の仕事の方が大変ですね(笑)。

 

私もまだまだ未熟なので、オフィスの中ではついついカリカリしてしまうこともあります。管理職としてはまだまだ修行が足りませんね。若いスタッフのスキルアップも私の大事な仕事です。

 

 

 

ミヤウチ 若い営業マンさんの指導もしておられるのですね。

 

 

 

片上 社内の研修体制も整っていますが、お客さんである会社さんが受け止めて育ててくださる部分も大きいですね。アビリティーとは30年来のお付き合いの会社さんが多いですし、私も駆け出しのころからずっとお付き合いいただいて助けていただいてます。

 

うちの若い営業マンに対しても厳しく優しく、自社の若手のように育ててくださる感じなんです。私自身もお客さん(である会社)に育てていただいたと思っています。ありがたいですね。

 

 

 

ミヤウチ 企業の責任ある立場の方や人事の担当者のところへ、アビリティの入社して何ヶ月の営業担当者が行って、話すわけですよね。それは、無謀といえば無謀ですね(笑)。

 

 

 

片上 そうですね、無謀です(笑)。私は入社直後にもうお客さんの企業さんを回っていました。話ができないですよね。何を話していたんだろうなあ(笑)。

 

勿論お話することは事前に決めてから準備して行くんですよ。「教えてください」とお願いすると、お客様も丁寧に話してくださいましたね。会社のことや商品のことや社員教育のことや教えてくださいました。

 

そして「次までにここをもっと調べておきますので、また教えてください」と次回のアポイントメントを取っておいて、通うんですね。そんな営業の方法については社内でも研修していますし、先輩社員が同行してくれることもありましたから、実践の中で身についていきました。

 

アビリティーという会社そのものに、人材派遣業としての信頼と実績がありましたので、若い営業マンでも信頼していただけたのだと思います。私もその中で育てていただいて仕事をすることができたんです。

 

 

 

ミヤウチ 自分の仕事に自信が持てた瞬間はありますか。

 

 

 

片上 派遣会社の営業は商品を売るのではないので、営業マン次第というところがあるんです。

 

5,6年前に、ある会社の人事担当の方から「人材派遣は、営業マン次第だぞ。この営業マンに頼もうと思うか思わないか次第やから。それを覚えておきなさい」と言われたんです。

 

当時、ずっと成果を上げていましたから、その言葉が自信になりました。一生懸命やった成果が現れていると確信できて嬉しかったですね。

 

 

 

 

人と人が結びついていくお手伝い

ミヤウチ 片上さんは、派遣スタッフと派遣先の会社のマッチングもあるし、社内のスタッフと求職相談に来られた方のマッチングもあるし、お客さんの会社と営業マンのマッチングもあるし、いろいろな場でのマッチングを日々しなければなりませんね。

 

人をとらえる感性が鋭くないとできない仕事のような気がしますが、子どもの頃から人に対する興味が旺盛だったのでしょうか。

 

 

 

片上 さあ、どうでしょうかね。昔から、人と人が結びついてうまく回っていくのを見るのが好きなんですね。

 

3年前に管理職になるに当たっていろいろ研修に行かせてもらって気がついたことがあったんです。私は双子だったせいか、小さなころから、相手がどう思っているかを常に考えているところがあったようです。それはよかったのかも知れません。

 

でも、勝手に考えすぎて失敗することもありますけれどね(笑)。それから、私は自分では外交的な方だと思っていたのですが、ある研修で「君は内向的なのに、頑張って外交的にしているね」と言われたんです。

 

それは腑に落ちましたね。「ああ、私は頑張っていたんだ」と改めて気付きました。管理職になる前には「なりたくない」と言っていましたし、なってからも「自信がない」と言っていたのですが、自分を知ってそれを出すことができるようになったころから、仕事がより面白くなってきましたね。

 

 

 

ミヤウチ そういう意味では、アビリティーの社長さんが片上さんの能力を引き出してくださったといえますね。

 

 

 

片上 そうですね。就職するときはこんなに長く勤めようとは思っていなかったですし、まさか管理職になろうなんて思ってなかったですね。

 

でも、いろんなことを乗り越えてきましたし、派遣スタッフさんが頑張って乗り越えることも見てきましたので、年々、経験を元にいろんな道筋を立てて話ができるようになってきたと思います。

 

私のこの年齢で、このような責任ある仕事を任せてもらえることは、本当にありがたいと思っています。経営者の方々ともおはなしさせていただく機会も多くて、本当に、日々勉強です。

 

ついていけなくて頭がパンクしそうなんですが、それでも、いろいろ教えていただけるのは面白くて、頑張っているところです。

 

 

 

ミヤウチ 仕事が乗りに乗っている片上さんですが、これからの人生設計はどう考えておられますか。

 

 

 

片上 そうですねえ、どうしましょう。悩んでいます(笑)。こう見えて、私は仕事に生きるタイプではないんです(笑)。

 

まだ結婚してないんですが、この先、結婚して子育てもしたいと思います。でも、この仕事を通して学ばせていただいたことや、経験させていただいたことは大事にして、ずっと仕事はしていきたいと思っています。

 

働くということにおいて悩んだり考えたりしたときに相談しにきてもらえるような、そういう存在でありたいと思いますね。

 

 

 

ミヤウチ 結婚したときが片上さんのターニングポイントになりそうですか。

 

 

 

片上 結婚はあまり関係ないと思うのですが、出産を機に悩むのではないかと思います。いろいろ経験させていただきましたので、社長と会社には恩返ししたいと思っているんです。

 

入社当初はよく泣いて、負けん気だけでやっているような、手の焼ける社員でしたから。

 

 

 

自社の取り組みが企業の指針になるように

ミヤウチ その若い営業マンが今ではリーダーですね。人材派遣のお仕事はどんなお仕事だと考えておられますか。

 

 

 

片上 私たちの頑張り次第で、仕事が決まって生活の糧とする人がいたり、新たな自分と出会って人生が変わったり、自分らしく活躍でできるようになったり、人材派遣業は人生に関わる仕事です。やりがいのある、大切な仕事をさせていただいていると思います。

 

管理職としては、アビリティセンターのメンバーの育成にも責任を感じています。私たちが強くなればなるほど、お世話させていただく方々の幸せにつながると思います。人材派遣業は、私たち社員の成長がキーだと思っています。 

 

 

 

ミヤウチ ということは、アビリティーセンターという会社そのものが社員を成長させる会社である必要があるということですね。この会社自体についてはどう考えておられますか。

 

 

 

片上 企業さんの研修をお手伝いさせていただいているということもあって、自社の社員教育にはかなり時間とコストをかけています。

 

毎月、営業や登録・面談の研修など何かしらの研修を行っています。社長の方針の徹底にも力を入れています。当社では、若い頃から仕事を任せてもらえるので、大変ではありますが、やりがいがありますね。

 

お客様のためにチャレンジすることにはかなり協力的です。入社当初から、自分で考えて自分で計画を立ててやり遂げるというセルフマネジメントの教育もなされています。 

 

 

 

ミヤウチ そういうことがそのまま、相談に来る求職者の方へのアドバイスにもつながりますね。

 

 

 

片上 そうですね。自らが実践していることを伝えていくことができますね。それから、お客さんである企業様に向けまして、時間外削減や働き方改革など、アビリティーが実際に取り組んでいることを事例としてお伝えしています。

 

他の企業さんから「アビリティーはこのことはどうしているの」と注目されるようになるための、能力開示・アウトプットを意識していますし、私も営業の中でもそれをお伝えしています。 

 

 

 

ミヤウチ そういうことなんですね。お仕事を探している人へのアプローチと、人材を探している企業への営業と、その両輪がないとよいマッチングはできませんからね。

 

企業におけるアビリティーの信頼度が、お仕事を求める個人の皆さんにとっても大切なことなんですね。さて、そのほかにもアビリティーでは働く人のための様々な取り組みをしておられるようですね。

 

 

 

片上 今、県外から移住を希望する方も多くなっていますので、東京や大阪でも転職の説明会を開催しています。毎回、多くの皆さんに来ていただいています。四国転職ネットというサイトで情報発信もしています。

 

それから、えひめ東予産業創造センターと一緒に女性活躍推進研修も企画しています。女性がいきいきと働き続けるためには企業や組織はどうあればよいか、働く女性はどのように問題解決をしていけばよいか、共に話し合い学び合う会です。

 

 

 

ミヤウチ 今までお話を伺っていますと、片上さんやこちらのスタッフの皆さんはかっこいいですよね(笑)。

 

スキルもなくブランクが長い女性や、子育てを第一にしながら仕事をしたい女性は、この事務所に来るだけでも、一歩がなかなか踏み出せないのではないかと思いますが・・・

 

 

 

片上 やはり、こうしてスーツを着ているだけで硬く見えますからね(笑)。来てみたら不安は消えたという方はありますね。でも、最近は派遣業も一般的になってきていますので、それほど敷居は高くはないと思います。

 

私自身、今はこうしてお話していますが、入社当時は泣いていましたし、管理職になった当初は「自信がない自信がない」と悩んでいましたし、他のスタッフも、子育てしながら毎日ばたばたで仕事していたり・・・みんないろいろな経験をしています。

 

きっと皆さんの気持ちに寄り添えると思いますので、気軽に足を運んでください。

 

 

 

様々な出会いを提供しサポートする

ミヤウチ 人材派遣業とは何ぞや(笑)。

 

 

 

片上 仕事の斡旋が私たちの仕事ではないんですね。私たちが皆さんのお世話をさせていただくことで、出会いを提供していきたいと思っています。仕事との出会いや職場の人々との出会い、思いもよらぬ自分自身との出会いなど、様々な出会いがあると思います。

 

また、皆さんそれぞれに仕事の優先順位や仕事に期待するものが違っていると思います。収入であったり、生きがいであったり、活躍の場であったり・・・私たちは皆さんその時その時の気持ちに寄り添って就業のサポートをしていきたいと思っています。

 

 

 

ミヤウチ 仕事を探している人にとってはとても頼りになりますが、なかなか大変なお仕事ですね。

 

 

 

片上 はい(笑)。皆さんのかなえたいものに少しでも近づいていただけるように頑張ります。

 

 

 

ミヤウチ 働いて収入を得たいと願う人、自分の個性を生かして働きたい人、働くことで輝きたい人、そんな人たちにとって、やっぱり片上さんやアビリティーの皆さんは頼りになる存在ですね。

 

片上さんの笑顔を見ただけで安心する人も多いのではないでしょうか。

 

今日はお話を伺って、人材派遣業の新たなイメージができあがりました。これからの時代、ますます求められるお仕事だと感じています。

 

どうか、これからも、片上さんご自身がいきいきとご活躍ください。それが、働く女性達の大きな力になっていくことでしょう。

 

そして、どうかプライベートでも幸せをつかんでください(笑)。長時間に渡って聞かせていただきありがとうございました。

category / 四国の働き方図鑑

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