転勤族の妻ながら、派遣スタッフから正社員に(1/2)
2018年6月1日 byアビリティー・センター
人材派遣会社アビリティーセンターの紹介で働いているJPハイテックの小門まり子さんを、ワークウーマンハンター・ミヤウチカナエが職場にお訪ねしました。
客室乗務員を経験し、結婚して専業主婦に
ミヤウチ 小門まり子さんというお名前が女優さんのようなイメージがあったのですが、お会いしてお名前とぴったりなイメージの方でした(笑)。
小門さん いえいえ、そんなことないです。平凡な名前ですし、平凡な人間だと思います。
ミヤウチ 今日はいろいろお話を伺います。よろしくお願いします。
小門さん こちらこそよろしくお願いします。お話しするようなことがあるか心配です。
ミヤウチ 大丈夫です。皆さん、それぞれの物語があるものです(笑)。さて、小門さんは以前、スチュアーデスをしておられたそうですね。今は、何て言うんでしたっけ。
小門さん 客室乗務員とかフライトアテンダントとか言っていますね。もうずいぶん前の話です。結婚する前ですので。むかしむかし・・・という感じになりました。
ミヤウチ ご主人とは飛行機の中で知り合ってゴールインということですか(笑)。
小門さん よくそんな風に言われますし、同僚もそんな人が多いのですが、私は全く違っていまして、主人は中学校からの同級生なんです。ご想像のようなロマンスではなくてすみません(笑)。
ミヤウチ 同級生で結婚というのも、それはそれで素敵ですね。結婚してから新居浜に来られたのですか。
小門さん そうですね。結婚前、仕事をしていた時はシンガポールにいましたので、結婚して主人の仕事の関係で新居浜に来ました。全く新しい環境に入りましたので、しばらくは仕事はせず、ゆっくりしていました。
ミヤウチ 結婚前はシンガポールと日本での遠距離恋愛だったので、結婚したら、しばらくはゆったりしようということだったのですね(笑)。
専業主婦から仕事復帰しようと思ったきっかけ 
ミヤウチ ゆったりした専業主婦の暮らしから、またお仕事をしようと思われたのは何かきっかけがあったのですか。
小門さん そうですねえ、言っていいのかどうか分からないのですが、主人と喧嘩した時に、よくある話なのですが、「誰のおかげでご飯が食べられると思うんだ」というようなことを言われまして、カチンときたんですね(笑)。
もともと同級生なものですから、負けたくないというような気持ちもあったんでしょうね。自分が食べる分くらいの経済力は持ちたいと思ったんです。
ゆったりした毎日も楽しかったのですが、それにもちょっと飽きてきたというか、そろそろ仕事をしようと思いました。まだ子供もいませんでしたし。
ミヤウチ それでは、外でばりばり仕事をして生きるという、そんな強い考えをもっておられたというのでもないのですか。
小門さん そうですねえ、専業主婦もとても大事な生き方だとは思うのですが、私はどちらかというと、こつこつ勉強をして資格を取ったりするのが好きなタイプだったんですね。
仕事をした方がいろいろなことも覚えますし、自分が少しずつですが成長できて、充実していられるような気がしたんです。
ミヤウチ ここにお勤めになるまでにもいくつかお仕事をしてこられたようですね。
小門さん まず、結婚した当時は英語の資格しか持っていませんでしたので、英語を使う仕事を探したんですが、なかなかなかったんです。
子供の英会話の講師の仕事を少ししました。それから、アビリティーさんに登録して、2か月だけの確定申告関係のお仕事や、市役所の市民課の窓口のお仕事など、期間限定のお仕事をしました。
転勤族の妻ながら、派遣スタッフから正社員に
ミヤウチ 結婚されて、そのようなお仕事をしておられる期間はどのくらいですか。
小門さん 約10年くらいですね。あっという間に10年たっていましたね(笑)。
この会社に採用してもらえるというのも全く考えていなかったんです。主人が転勤がある仕事なものですから、それに合わせて働かなければいけないと思っていたんですね。
ミヤウチ 転勤族の奥さんは仕事を探しにくいようですね。
小門さん そうですね。仕事探しの時に正社員の面接にも行ったのですが、まず、「出身は北海道なんですね。ご主人の仕事の関係でこちらにこられたんですね」と確認された時点で、もうだめなんですね。
そういう流れになるということが分かりまして、そんな中でも働きやすい働き方を考えたときに、派遣社員が働きやすいと思いました。
ミヤウチ アビリティーに登録されたのはどんなお気持ちからですか。
小門さん やはり、期間限定で働きやすいお仕事があるかなと思いまして、まずはそこから挑戦しようと思ったんですね。
まず、確定申告関連の2か月間のお仕事をしたのが最初ですね。そのときの担当の方にもよくしていただきましたね。私が体調を崩したこともあったのですが、そんなときも親切にしていただきました。
ミヤウチ それはよい出会いでしたね。私は、皆さんのお話を伺う中で、派遣会社が担う役割が大事になっていることを感じています。
ライフスタイルに合わせていろいろな働き方を選べるようになることが求められています。
小門さんの親世代である私たちの世代には、派遣で短期で働くというような働き方にマイナスイメージを持ちがちですが、小門さんはそんなイメージはなかったですか。
小門さん マイナスイメージは持ったことはないですね。期間限定のお仕事だと挑戦しやすいということでしたね。
ミヤウチ アビリティーに登録されて、いいところ、もっとこうしてほしいというところ、いろいろ感じておられるのではないかと思いますが、いかがですか。
小門さん そうですね。私は派遣社員で産休育休が取れるとはそれまで知らなかったんですが、この会社で派遣社員として勤めていたときに、産休と育休を取らせていただいたんですね。
アビリティーさんが、手続き関係でもフォローしてくださいましたし、お休みする期間中に代わりに来てくださる方がいるだろうかと心配していたのですが、それもいい方を探してくださったし、本当に感謝しています。
その上、この会社が、育休後戻ってきてもいいよと言ってくださったので、アビリティーさんがサポートしてくださって、こうして今は正社員として勤めています。
ミヤウチ それは素晴らしいことですね。そんなときに自分をサポートしてくれる人がいるというのは心強いですよね。
小門さん そうなんです。担当の方が決まっていますので相談しやすいですね。月に1、2回面談に来てくださって「困ったことはないですか」と聞いてくださるので、相談する機会もあります。
元客室乗務員が経理事務関係の仕事についた理由とは?
ミヤウチ お仕事は経理事務関係だそうですが、客室乗務員をしておられた方が、どうして経理事務関係のお仕事をされているのか結びつかないのですが(笑)、どうしてなのでしょうか。
小門さん もとをたどっていくと(笑)、さきほど話しました確定申告のお仕事をしたときに、一緒にしていた方から、ハローワークの方で、パソコンなどの講習が受けられるということを聞きまして、これから仕事をするんだったら資格を取っておきたいと思ったんですね。
接客業はもう十分やってきましたので(笑)、違う仕事がしたいと思ったんです。で、何をするにも、まずはパソコンだと思ったのでハローワークの講座に行ったんです。
その時に、パソコンと一緒に簿記の講座も付いていたんですね。それまではもちろん簿記の事は全く分からないし興味もなかったんですが、勉強を始めるとそれがすごくおもしろかったんです。ハマってしまったんです(笑)。
その時は簿記3級の講座だったんですが、その後は、自分で勉強を続けて2級を取ったんです。2級を取ったら、アビリティーさんでも経理関係の仕事を紹介できると聞いていましたから。そして、今のこの会社を紹介していただいたんです。
ミヤウチ それはよい流れでしたね。それにしても簿記がおもしろいとはちょっと意外です(笑)。
小門さん おもしろいんですよ(笑)。2級になって複雑になってくると、ちょっとしんどいとこもあるのですが、始めたときはパズルのような感じでおもしろかったんです。
借り方と貸し方がぴったり合ったときには爽快感があるんです(笑)。
ミヤウチ 華やかなお仕事をしておられた方が、数字とにらめっこするお仕事を楽しいと感じられるとは(笑)。
小門さん もともと華やかなと言いますか、接客でばりばり仕事をするタイプでもなかったんですね。
なぜか若い頃にそういう仕事に就いたのですが、本当は地道にやる方が好きだったのかも知れないですね。
もとの同僚は客室乗務員を辞めたら秘書の仕事などについている子が多いですね。私のように経理の仕事についた子は同期ではいませんね。考えてみれば違う方向を選んでいますね(笑)。
ミヤウチ 人生とは不思議なものですね(笑)。細かなことをこつこつとするのが得意なタイプだったのかもしれませんね。
小門さん 自分ではそうは思ってなかったのですが、簿記にハマったという事はそうだったのでしょうかね。積み重ねていって結果が出るというようなことが好きなのかも知れないですね。でも、手先は不器用で、細かい編み物とかは絶対できないんですよ(笑)。
category / 四国の働き方図鑑