子供の巣立ちにあわせ個性を生かして活き活きと働く(1/2)
2018年8月14日 byアビリティー・センター
ミヤウチ
県内は勿論のこと、県外からもたくさんのお客さんが訪れる、今治の※「さいさいきて屋」の「saisai cafe」に来ています。
ここでお仕事をしておられる白石ルミさんにお話を伺います。白石さんよろしくお願いします。
※越智今治農業協同組合が運営する直売所や食堂、カフェなどの複合施設
白石さん
こちらこそ、よろしくお願いします。
ミヤウチ
ここには、私も時々来るんですよ。
地元のお野菜や加工品などの買い物の後に、おいしいスイーツタイム、素敵なカフェですよね。
白石さん
ありがとうございます。
彩り鮮やかな季節のフルーツケーキやパンの他にも、新鮮な生ジュースもおすすめです。
9時から13時はお得なモーニングセットもあって人気なんですよ。広々ゆったりした店内で地元産のフルーツや野菜のおいしさを堪能してください。
ミヤウチ
さすが、ばっちり、宣伝してくださいました(笑)。
白石さんはこのカフェでどんなお仕事をしておられますか。
白石さん
フロント業務ですね。
簡単なモーニングやケーキセットのセッティングをしたり、ドリンクやサンデーを作ったり、レジ業務をしたり、お客さんに運んだり、そんな仕事をしています。
アビリティセンターに登録したきっかけとは?
ミヤウチ
白石さんがこちらにお勤めになったのはアビリティセンターの紹介ということですが、アビリティ―に登録されたのはどのようなきっかけだったんですか。
白石さん
ずっと専業主婦だったのですが、アビリティセンターの広告を見て、私でもできるお仕事があるかなと思いまして、まずは登録しました。
ミヤウチ
そうですか。
私は、もう還暦を過ぎましたが、専業主婦だった私の友人は「何か仕事をしたいと思うんだけれど、なかなか勇気がなくてねえ」と言っていました。
私たちの世代は人材派遣の会社に馴染みもなかったですしね。専業主婦だったということですが、仕事をすることに不安はなかったですか。
白石さん
私は子どもたちが幼稚園のときから、ずっとPTAの役員をしていたんですね。
それで、外に出て人と関わる機会は多かったんです。
子どもたちが、高校2年生と中学2年生になったときに、そろそろ、外に出て働いてみようかなと思ったんです。
ミヤウチ
それじゃ人前に出て話すことも慣れていらっしゃるんですね。
白石さん
そうですね。
皆さんの前でお話したり、卒園式の答辞を読ませていただいたり、いろいろな経験をさせてもらいましたから人前に出ることは苦じゃないんです。
だから、事務の仕事よりは向いているような気がしたんです。
それに、人の中で仕事をしますと気持ちも明るくなりますでしょ(笑)。
ミヤウチ
そうですね(笑)。
ここに入られるまでにはどんなお仕事をされましたか。
白石さん
実はもう一つ別の派遣会社さんに登録していまして、そこで9か月ほどお仕事しました。
その派遣会社さんもとても面倒見のいい会社でした。
ちょうど、私の希望する仕事がなかったので、他の会社に登録してもいいですよと言ってもらったんです。それでアビリティーさんに登録したんですよ。
派遣に登録するメリットとは?
ミヤウチ
私は、これまで、派遣で仕事をするということがどんなことかよくわかっていませんでした。
しかしこうして、お仕事をしている皆さんのお話を伺うと、結婚や育児などでライフスタイルが変化する女性にとって、派遣会社に登録して働き続けるというのはとても有効な選択肢だと感じています。
白石さん
一番最初に仕事をしてみようと思ったとき、友達に「自分で探すよりは、派遣会社に登録しておくといいよ」と勧められたんです。
今の若い女性たちは、登録して仕事をしている人がとても多いと思います。このカフェも3社の派遣会社のスタッフが入っているんですよ。
ミヤウチ
そうなんですね。派遣で働くことの良さはどんなところにあると思いますか。
白石さん
私は、一度始めたら辞めようとは思わないのですが、勤めてみて合わなかった場合はなかなか辞めますとは言いにくいですよね。
でも、派遣だと1か月とか3か月で更新されるので、そのときに更新しなければいいんですね。
そして次の仕事に挑戦することができるというメリットがあるんですね。そんな話はよく聞きますね。
ミヤウチ
なるほど、期限があるということは良い面もあるんですね。
そのときに大切なのは、派遣会社の担当の存在だと思うんです。白石さんの場合はどうですか。
白石さん
私の場合は、アビリティーの最初の担当さんは藤原さんという女性でした。
とてもいい方で、親身になってお世話してくださいました。私に合う職場を探してくださったんです。
今は担当が新しい方に変わったんです。
若い男性なのですが、定期的にこちらに足を運んでいただいたり、電話をかけていただいたりして、「どうですか、何か困ったことはないですか」などど聞いてくださっています。
店側に何か要望があるときは、担当さんを通じて伝えてもらうこともできるんです。
ミヤウチ
別に悪い事ではなくても、なかなか自分の方からは店長さんや管理者側には意見が言いにくいこともありますよね。
白石さん
そうなんです。とても助かります。
働く上で必要な力はPTAで培った
ミヤウチ
白石さんは長年PTAのお世話をしてこられたそうですが、PTAのお世話って本当に大変ですよね。
それをやってこられたということは、ある意味、皆さんの調整役をするとか、自分で工夫して活動するとか、そんなことができる方だと思うんです。
仕事をする上で必要な力が培われていたのかもしれないですね。
白石さん
そうですね。
PTAの経験が役に立っていると思います。
日々気付いたことなどは、店長に直接話して提案させてもらうこともあります。
お客さんから意見をもらうこともありますので、それも伝えて改善してもらっています。
例えばお客さんから「こんな商品があったらいいね」と言われたことや、私がプライベートで買い物に行ったときに参考になる商品があったことなど、話しています。
提案した改善点を取り入れてもらったこともあります。言いやすい雰囲気を作ってくださっていますからね。
ミヤウチ
そんな日々の皆さんの努力も大きいのでしょうね、さいさいきて屋は県外からもたくさんお客さんが来られるようですね。
仕事のやりがいとは?
白石さん
そうなんです。今治のおもてなしの気持ちをもって私たちは接客しているんです。
ミヤウチ
仕事をしていて、楽しいなとかよかったなと思われるのはどんなときですか。
白石さん
顔なじみのお客さんが、私がお休みのときに「あれ、今日はあのスタッフさんはお休みなの?」って言ってくださることがあるんですよ。
そう言って覚えていただいているのはうれしいですね。
ここは、地元の高齢者の方も多いんです。ちょっとしたお声掛けをさせてもらうんです。
持病をもっている方とは「だいぶ良くなってきたよ」「それはよかったですね」などとお話するんです。
お一人で来られる方も多いですから、お客さんの込み具合を見ながら、余裕があるときにはできるだけお声掛けしています。
ミヤウチ
それは素敵ですね。高齢の方とのお話は、若者よりも白石さんの年代のほうがしっくりいくかもしれませんね。
白石さん
ただマニュアル通りにやることはできても、やっぱり、人と人がふれあうことですからね。その時々のちょっとした言葉を大切にしたいと思っています。
専業主婦から一転。生活の変化は大きかった
ミヤウチ
専業主婦からお仕事を始められて3年目に入ったそうですが、生活の変化は大きかったのではないですか。
白石さん
そうですね、なかなかお掃除に手が回らなくなりましたね(笑)。
でも子どもたちに手がかからなくなりましたのでね。
息子は大学生になって東京にいますし、娘ももう高校生なので帰りの時間も遅くなりましたしね。
娘が帰って来るまでには夕飯も作ることができますからフルタイムで仕事をしていますが、ほったらかしにしている感じはないですね。
家族に負担をかけない範囲での仕事ということでやっています。週末も半分はお休みにしてもらっています。そんな要望もアビリティーさんを通じて聞いていただきました。
ミヤウチ
ご主人は白石さんがお仕事をされることに対して抵抗はなかったのですか。
白石さん
ずっと専業主婦でしたからね。
主人は初めはちょっと消極的な反応でしたが、実際勤めてみると「がんばってるから、いいんじゃない」という反応ですね。
ミヤウチ
今までのようにお掃除に時間をかけられなくなって、不満を言ったりはされないんですか。
白石さん
そんなことは全然ないです(笑)。そういうことを言う人ではないんですよ。
ミヤウチ
それは、いいですねえ(笑)。
男性の中には、奥さんの目が外に向くのを嫌がる方もありますからね(笑)。
白石さんは、お勤めを始めて新たな人生の楽しさを味わっておられる感じですね。
白石さん
そうですね。
今までPTAの活動では、同じ年代のママさんとのお付き合いでしたが、こうして仕事をするといろんな世代の方と仲良くなれますからね。
ここは、20代の若い人から60代70代の方もいますからね。幅広い年齢層の人とコミュニケーションが取れて、いろんな情報ももらえますから。楽しいですよ。
category / 四国の働き方図鑑