私は、自分がやりたい仕事とできる仕事は違うんじゃないかと思います。<1/2>

2019年7月23日 byアビリティー・センター

ミヤウチ:新居浜のあかがねミュージアムにやってきました。

ここで開催されている「没後10年 平山郁夫シルクロードコレクション展」において、アビリティーセンターから派遣され受付業務をしておられる近藤さんにお話を伺います。

近藤さんとアビリティーセンターとの出会いはいつごろですか。

近藤さん:多分、アビリティーセンターができて間もないころですね。30年以上前です。

私、基本、仕事はしたくないタイプなんです(笑)。

でも、結婚してからしばらく子どもができなかったものですから、友達に誘われて登録しました。

 

ミヤウチ:派遣で、初めてした仕事のことは覚えておられますか。

 

近藤さん:覚えてますよ。個人の酒屋さんのワインの試飲会でしたね。私、見ての通り、誰とでも話せるので結構売れたんですよ(笑)。

それで、次もお願いしますということで、いろいろなところで使っていただくようになりましたね。

 

ミヤウチ:それから、スポットで入るお仕事を続けてこられたのですか。

 

近藤さん:そうですね。それが、何かの時にどうしてもと誘われて、1回仕事をすると、次もまた、声がかかるんです。

断りきれなくて受けてしますという感じできました。

結婚するときに、主人が、お前のことはなんとしてでも養ってやると言ってくれたものですから、働かなくていいなと思って結婚したんですよ(笑)。

それが、気がつけばずっと働いているということになってしまいました(笑)。

 

ミヤウチ:仕事大好きな人かと思いました。

 

近藤さん:そうじゃないんですよ。できたら、働きたくない人なんです(笑)。

最初の妊娠をしまして、それからは、子育で、10年ほどは仕事をしないで家にいたんです。

子どもが小さいうちは、一時ですからね。その間はしっかり専念したいと思ったんです。

 

ミヤウチ:最近、20代30代の女性と話しをすると、ずっと家にいるのは嫌だ、外で仕事がしたいという人がほとんどですね。

近藤さんはストレスはなかったですか。

 

近藤さん:ないですね。家でゴロゴロしているのが好きですから(笑)。

 

ミヤウチ:子育てに専念する時期もいいものですよね。

 

近藤さん:まあ、子育てということにかこつけて、家にずっと居たかったということかも知れないですね(笑)。

途中で、またスポットで仕事をしたこともあったのですが、3人目が生まれてからは、また、しばらくは仕事に出ないでずっと家にいたんです。

娘は、今は、いちばん上が、24才で社会人、真ん中は大学生、一番下が高校1年になりました。

娘たちとは中学生ころからもう友達のような感じで、いっしょに趣味の時間を楽しんだり、旅行に行ったりしています。

 

ミヤウチ:娘さんと仲良し、いいですねえ。

子育て専念の時期からまたアビリティーセンターでお仕事をされるようになったきっかけはどんなことだったんですか。

 

近藤さん:私、パソコンをうまく使えなかったので、仕事を全くしていなかった時、思いついて、アビリティーセンターのパソコン講座に申し込もうと思って、10年ぶりに電話をしたんです。

そうしたら、たまたま私のことを覚えてくれていた人がいて、「お仕事がありますけれど」と言われたんです。

仕事をするつもりではなかったのに、私、断れないタイプなので、そこからまた仕事をするようになりました。

 

ミヤウチ:結局、仕事をしてしまうと(笑)。

 

近藤さん:そうなんです。その上、来れなくなった人の代わりに入ったりして、なんだかんだと言いながら、4、5日のつもりが、結局、15日くらい出てしまって。

 

ミヤウチ:やっぱり、アビリティーセンターから頼りにされているんですね。

 

アビリティーセンター・大西:そうなんですよ。お任せしていたら、完璧にやって下さるんです。頼りにしています(笑)。

 

近藤さん:これまでやったことがある仕事で、何度もオファーをいただくことがほとんどなんです。

私は、自分がやりたい仕事とできる仕事は違うんじゃないかと思います。やっぱり、求められているというのは、できるから求められるんだと思います。

言われたことで、自分がやれる可能性があることならば、お受けしようかなと思って、今までやってきましたね。

 

ミヤウチ:自分がやりたい仕事とできる仕事は違うんじゃないかというのは、私もよく感じる事です。安易に混同する人もいるのではないかと思います。

さて、今回は、どんな業務をこなしておられるのですか。

 

近藤さん:ここでは、まず朝は、あかがねの事務所に行って、受付に必要なものを一式いただいて、準備をします。

そして、チケットやグッズの販売をしたり、会場のご案内をします。

終わったら、お金を閉めて、朝もらったようにして事務所まで返すということですね。

 

ミヤウチ:近藤さんは、受付業務のベテランですから、どこへ行ってもあわてることはないのでしょうね。

 

近藤さん:私は、基本的に飽き症なんです。同じ仕事をずっと続けるのは苦手で、3ヶ月がマックスなんです。だから、正社員は無理です(笑)。

それで、単発のお仕事をさせてもらっています。

そんな仕事の場合、だいたい、その場でパッとできる人が求められるじゃないですか。

私は雇う側がしてほしいと考えていることを察知して段取りをすることが人よりできるのかもしれませんね。

 

ミヤウチ:それは、能力的に高い方だと思います。

 

近藤さん:いやいや、特別な能力なんてありませんよ。

ただ、業務をやるに当たって、最初にきちんとしておきたい方なんです。

めんどくさがり屋なので、二度手間は嫌なんですね。ベストな方法を考えてスタートするんです。

それから、自分がお客さんだったら、こういうことをしてほしいだろうなとか、こういうことをされると嫌だろうなということを、お客さんの立場になって、考えるんです。

だから、クレームもないですね。

 

アビリティーセンター・大西:次の次まで予想して、考えて、段取りができる人なんです。

準備には、時間をかけて、きっちりやってもらっています。

 

ミヤウチ:仕事はできるだけしたくないと言いながら、そのあたりは、とてもプロの仕事を感じますね(笑)。

 

近藤さん:そうですか(笑)。派遣だからとか、期間が短いからと言って、きちんとできないのは嫌なんですね。

それに、どうせやるなら、やっぱり、楽しくしたいですしね。

 

 

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category / 四国の働き方図鑑

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