歴史ある大きな会社ならではのやりがいも感じるようになりました。<1/2>
2019年8月27日 byアビリティー・センター
ミヤウチ:今日は、新居浜の住友金属鉱山技術本部新居浜研究所にお勤めの金子高志さんにお話をうかがいます。
アビリティーセンターの、住友金属鉱山担当の王さんと、四国転職ネットを運営する加藤さんも同席していただきます。
金子さん、よろしくお願いします。
金子さん:こちらこそよろしくお願いします。
ミヤウチ:金子さんはご出身はどちらですか。
金子さん:福岡県北九州市です。
大学の研究室のつながりがありまして、卒業後、愛媛の会社に就職しました。
ミヤウチ:そして、今回、その大学卒業後就職した会社から、こちら、住友金属鉱山に転職されたということですね。
金子さんは、前職も大手の会社であったとお聞きしていますが、どうして転職をされたのですか。
金子さん:仕事上の理由というよりも、プライベートな事情で転職することになりました。
ミヤウチ:転職に当たってはどのような方法でお仕事探しをされたのですか。
金子さん:基本は、ネット上のいわゆる転職サイトで調べていきましたが、かつての知り合いが声をかけてくれた会社もいくつかありました。
ミヤウチ:最終的には、アビリティーセンターの四国転職ネットで決まったそうですが、アビリティーセンターにつながったのはどのようなことからですか。
金子さん:そうですね。一般的な転職サイトや僕に声をかけてくれた知り合いは、県外の事情には強かったのですが、この愛媛には強くなかったんですね。
そこは、やはり、愛媛の会社であるアビリティーさんが愛媛の求人をたくさん持っておられたんです。それで、応募させてもらいました。
ミヤウチ:どのような職種や条件の会社を希望しておられたのですか。
金子さん:前職と同じように、やっぱり技術者としてものづくりに携わる仕事や、開発に携わる仕事がしたいと考えました。
ミヤウチ:今のお仕事は?
金子さん:研究に携わることができています。
今、主にやっていることは、工場の製造工程で不具合が発生した際の発生要因を突き詰めていって、それを見つけ出して対策をするという仕事をしています。
ミヤウチ:私には、なんだかピントこないのですが(笑)、そのような、技術系のお仕事は楽しいですか(笑)。
金子さん:個人的には楽しいですね(笑)。分からないことが分かるようになるということは楽しいことです。
しかも、それが、他の人の役に立つというのは、とてもやりがいがある仕事です。
ミヤウチ:ああ、それは、いい転職をされたんですね。
アビリティーセンター王(以下、王):金子さんの面接に同行した時に、実験を10年かけてやるような仕事もあると聞いて、びっくりしたのですが、実際そういう仕事もしておられますか。
金子さん:僕自身は携わってないですが、同じグループ内に年単位の長期的なスケジュールでやっている仕事があります。
ミヤウチ:仕事はお給料を得るということだけではなくて、やはり、自分の能力を生かすことができたり、自身の成長を感じることができたり、それらも大切な要素だと思うんです。今はそんなお仕事に巡り合っておられるのですね。
でも、そんな仕事に巡り合うかどうか不安はなかったですか。
金子さん:それはありました。それまで、十数年間製品開発の仕事についていましたから、やり方が決まっていましたからね。やり方が違うというのはものすごく不安になりました。
前職で材料開発の仕事もしていたのですが、その経験がなかったら今の仕事はできなかったと思います。何も想像ができなくて不安でたまらなかったと思います。
でも、前職での経験があったから、なんとかなるのではないかと思えたんです。
ミヤウチ:大きな挑戦をされたわけですね。何とかなるのではないかという気持ちがあったものの、いざ入られたら、いろいろ乗り越えないといけないこともあったことでしょうね(笑)。
金子さん:はい、それは、もういろいろと(笑)。一から十まで、これまでとは違うのですから。それこそ、シャープペンがどこにあるかなどという、そんな些末なことから聞いて慣れていかなければならないのですから本当に大変でした。
ミヤウチ:慣れてきて自分のペースになるまでにどのくらいかかりましたか。
金子さん:まだ半年ちょっとですから慣れたとはいえないですね(笑)。でも、職場の人たちがみんないい人なので、乗り越えてきています。
ミヤウチ:人間関係はやっぱり大きいですよね。そういう意味では、こちらの会社でよかったと思っておられますか。
金子さん:それは、本当によかったと思います。実験をしていると退社が遅くなることもあるのですが、そうすると先輩や同僚が、器具の洗い物を手伝ってくれたり、わざわざ声をかけてくれたり、そんな感じなんです。
前職では、もちろん助言はありますが一人で担う仕組みでしたので、積極的に周りがフォローするということはあまりなかったんです。
それが、僕の中では当たり前だと思っていたので、ここでのそんな周りの助けが新鮮だし、みんな優しいなとうれしく思います。
ミヤウチ:それは素敵なお話ですね。
私は、新居浜のものづくりの会社でお話をうかがうことが多いんです。会社によって仕事の仕組みの違いがあるのでしょうが、新居浜という所は、ものづくりの仲間が助け合う風土があるような気もします。
金子さん:新居浜としてどうなのかはよく分からないのですが、この会社の風土として、それは確かにあると思います。
前職では、製品自体のことの他に、製品の付属の物で包装や、原材料の検討や購入、購入先の選定や決定、生産ラインの段取りまで、一人で考えてやっていたんです。
こちらでは、そうではなくて、ひとつひとつ、みんなで話し合ってチームワークで進めていくんです。そんな会社の風土がありますね。みんなで盛り上げていくという雰囲気です。もしかしたらそれが新居浜の風土なのかもしれないです。
ミヤウチ:新居浜の会社をいくつも担当しておられる王さんは、そんな雰囲気を感じることはありますか。
王:そうですね。業界による特性があるのかもしれませんが、いろいろな会社の担当者さんのお話をうかがうと、皆さん熱い思いを持っておられると感じます。
それをチームに落としてみんなで頑張ろうという雰囲気はあると思います。
ミヤウチ:金子さんもそんな会社の皆さんのフォローや優しさを感じて、今、ここで力を発揮できるよう頑張っておられるところですが、今後、ここでどのようなお仕事をしていきたいと思っておられますか。
金子さん:ここ何か月かのことで言いますと、早く必要な知識を身につけたいですね。ひとつの現象を見ても知識と経験がないと判断できないんです。
まずは知識を身に付けて経験を積んでいかないといけません。
ミヤウチ:その知識や経験不足を感じるときには、どなたかに相談できる雰囲気がありますか。
金子さん:はい、その雰囲気ができています。これも、ここの特長だと思うのですが、実験をしているさなかでも、上司が何度も何度も来て声をかけてくれるんです。
今どういうことが起こっているかを聞いて、トラブルはないか気を配ってくれます。ありがたいですね。
ミヤウチ:それは、住友金属鉱山という歴史ある会社が積み重ねてきた組織力と言いますか、ゆとりと言いますか、正に、会社の風土なんでしょうね。
金子さん:ああ、そんな感じですね。例えば優先順位の付け方なども特徴的です。
とかく一般の会社では、顧客のニーズはどれも大事だとして優先順位はつけられずに、一度にいくつも取り組むことが多いと思います。
でも、ここでは、必ず優先順位をはっきりさせて取り組んでいくんです。それは、会社に余裕があるということでしょうね。
ミヤウチ:そうでしょうね。組織力で達成する仕組みが出来上がっているのでしょう。さすが、天下の住友という感じです(笑)。
アビリティーセンター加藤(以下、加藤):住友金属鉱山さんの特長と言えることが他になにかありますか。
金子さん:構内を移動する際や装置を稼働する際に「指差呼称」したり、毎日「作業前1人SKYカード」といって作業前に危険ポイントを書いて提出したりしているのも特有かもしれませんね。
朝のミーティングもきちんとあって、細かく仕事の状況や社員の体調なども確認するんです。
一人一人の安全を確認するというのは徹底していると思います。
王:先日、社員さんの研究や勉強のための資料や本がある図書館を見せていただいてびっくりしたのですが、やっぱり、歴史ある大きな会社は違いますね。
金子さん:そうですね。それも他の会社にはない事でしょう。研究の姿勢が根付いています。
ミヤウチ:県内、特に地元新居浜では、住友の社員になるというのは、ある意味ステータスのようなところがあると思うのですが、金子さんは、住友に入りたいという強いお気持ちがあったのですか。
金子さん:正直、大きな会社にこだわる気持ちはなかったですね(笑)。
僕の気持ちとしては、大きな会社に入るよりは、中小の会社に入る方が働き甲斐があるのではないかと思うところもあったんです。
でも、転職活動をいろいろやってみて、それから、こうして実際大きな会社に入ってみて、歴史ある大きな会社ならではのやりがいも感じるようになりました。
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category / 四国の働き方図鑑